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『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』〜1回30万円のセミナーに行くより遥かにつぶしの効くエッセンスがこれ〜

前書き

 『嫌われる勇気』は、もともと2016年あたりに書店でおすすめ本NO.1として並んでいた、アドラー心理学をベースに執筆された自己啓発本ですが、最近Amazonオーディブルに追加されたことで知名度がまた再浮上したような印象です。

 今回はその流れに便乗して、嫌われる勇気の書籍版のご紹介をしていきたいと思います。

 

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え

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概要

 本書は、アルフレッド・アドラー精神科医が提唱した、通称アドラー心理学をベースにしたセルフコントロールのエッセンスを盛り込んだ書籍となっています。

 アドラー心理学では、人間関係における自分自身の役割にも触れており、幼少期、青年期、成人期のそれぞれで、コントロール出来るものとできないものの違いを考えながら、自分の役割を全うしていくための心理学的助言がなされているのが特徴です。

 

ストーリー

 本書は、アドラー心理学をマスターした哲人と、人生のあり方に悩む青年との対談形式にした、小説風のストーリーで構成されています。

 私たちが抱く世間への疑問、アドラー心理学への疑問を、青年が代弁して哲人に問い、哲人がそれに答えていくという構図となっていることから、質疑応答集のような側面ももちあわせており内容理解がしやすくなっています。

 

本書のおすすめポイント

 アドラー心理学そのものは、臨床心理の教科書にも出てくるごく一般的な心理学です。

 その反面、覚える内容も多く、専門書を読んでも理解が追いつかない部分もあるので、本書はアドラー心理学を噛み砕いた入門書としておすすめできます。

 

  • 家族との人間関係で悩む人にとって解決の糸口になるかもしれない

 家族との人間関係と一口に言っても、親子関係とか、夫婦関係とかありますが、本書はその両方に触れており、

  • 子供に対して何故褒めてはいけないのか
  • 配偶者に求めること求めてはいけないことの違いは何か

といったナイーブな問題についても、アドラー心理学で考えた時の模範解答が描かれています。

 

  • 世の中の沢山ある自己啓発本の中で、一番論理的かつ実践的である

 自己啓発でよくある、相手のためになることを行うことで、結果的に自分のためにもなるのだという「情けは人の為ならず」という着想は、本書にもあります。

 しかし、本書は、「他者の課題」というアドラー心理学の視点を取り上げており、

他人が自分で解決しないといけない問題には、あまり首を突っ込まないでほしい

という明確なメッセージが込められています。

 他人は他人、自分は自分というように、明確に責任を分けることが、アドラー心理学的には大事な考え方になりますので、それをもっと深堀する点で、おすすめポイントとなっています。

 ちなみに、別ブログ「現世の館(うつしよのやかた)」でも取り上げていますが、自己啓発的思考には、共依存の誘発リスクが指摘されています。

 なので、本館ではあまり自己啓発本は取り上げないようにしているのですが、本書のように、実践に伴う心理的副作用の少ない本は今後も積極的に紹介していきたいか前でございます。

 

本書と相性が悪いかもしれない人

  • 会話風茶番劇(ゆっくり茶番)が苦手な人

 会話風の文章なので必ず起こるのが、ストーリーにおける脇道への脱線が多いことです。

 本書も多分に漏れず、主人公が話の脱線をして、時に何が言いたいのか分からない話に突入するので、一部取っ掛りずらいかもしれません。

 

 アドラー心理学は、カウンセリング系NPO法人でも導入しているところがある、比較的有名な心理学なのですが、本書で言うアドラー心理学は、著者から読者に向けてのメッセージが多く含まれているので、その情報を転用してカウンセリングを行うのは少し難しいかなと思います。

 

  • 本書を別な誰かにプレゼントしたいと思っている人

 よく、目上に本をプレゼントすることは、「お前ちゃんと勉強せえよ」という裏メッセージが伴うことから、日本ではかねてより良くないこととして考えられているのは、ご存知の方が多いかと思います。

 おこがましい話ですが本館では、このサイトの読者様に本心からおすすめする本として紹介させて頂いています。

 が、読者様がまた別な誰かにこの本をおすすめするという場合は、

『マンガでわかるアドラー心理学

というのがあるので、そちらをおすすめしてあげてください。

 というのも、本書・嫌われる勇気では、主人公の青年の意見に、結構厳しめに哲人が答えるという構図になっていることから、見る人には、自己否定されているように写るようです。

 なので、それよりはやんわりとアドラー心理学を伝えている、マンガでわかるアドラー心理学を先に紹介した方が良いかと思います。

 それで相手がアドラー心理学に興味が湧くようであれば、それとなく嫌われる勇気を紹介してあげるのがいいかなという次第です。

 

終わりに

 今回はこんな感じですがいかがでしたか?

 自己啓発というと、

「なんか宗教チックなイメージあるよねー」

という印象を持たれる方も多く、実際に宗教を取り入れた自己啓発が多いのも事実です。

その点、宗教とアドラー心理学を比較すると

  • アドラー心理学は、もともと軍人の精神治療のため開発されたもの
  • 宗教は権力者が自身の権威を崇高なるものと結びつけて絶対的なものであると皆に知らしめ布教するためのもの

といった違いがあることから、アドラー心理学は、自己啓発宗教セミナーには乱用されにくいのが特徴です。

 布教するほど精神治療が進むなら、自分たちの存在意義がそのうち消失してしまいますからね(笑)

 アドラー心理学は、その性質上宗教と分離して考えることが出来る、医薬品のようなものです。

 しっかりと用法用量を守り正しく使っていきましょう。

 それではまた次回の投稿でお会いしましょう

(「・ω・)「ホイ